21. 収支相償判定の1段階において赤字の事業と黒字の事業がある場合の取扱いについて

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収支相償判定の1段階において赤字の事業と黒字の事業がある場合の取扱いについて

 こんにちは。上田公認会計士事務所の上田久之です。 

 医師会、歯科医師会、薬剤師会が公益目的事業に整理する事業に、甲と乙の2つの事業があったとして、甲事業は毎期安定的に運営されており黒字基調、乙事業は財源が乏しく常に赤字。このような場合に、甲事業について、乙事業実施に必要な費用として特定費用準備資金を繰り入れ、乙事業で必要な時期に取崩すことができるかとの質問を受けました。

 たとえば、市から委託を受けている検診事業は黒字で、自主事業として実施している会営の休日夜間救急診療所は採算がとれず常に赤字といったケースです。この場合に、黒字である検診事業については収支相償の一段階の判定においては休日夜間救急診療所の赤字にあてる目的の特定費用準備資金の積立が認められるかという質問です。

 収支相償の第1段階での剰余金はその事業に係わる特定費用準備資金に繰り入れるか、翌年度(もしくは翌々年度までに)その事業に使用することが求められます。(また、第1段階では資産取得資金に繰り入れることはできません。)よって、甲事業で生じた黒字は、乙事業に充てることは認められません。それを許すと第1段階で個々の事業ごとに収支相償の判定をすることの意味が失われてしまうからです。

 したがって、検診事業が黒字で、休日夜間救急診療所が赤字の場合、公益目的事業として申請できるのは休日夜間救急診療所のみとなります。

 但し、甲事業と乙事業が法人の目的に照らしてひと括りにする合理的な説明がつけば、1つの公益事業にまとめることによって、事業間の資金の融通は可能となります。

 実際の申請をみても、複数の公益事業を実施しているが公益目的事業は一つとしている事例がかなりあります。但し、あまりにもかけはなれた事業同士(例えば、認知症の家族を支援する事業と犯罪被害者を支援する事業)は、ひと括りにすることは難しいと思われます。

 検診事業と休日夜間救急診療所は市民の健康を守り増進する医師会のおおきな目的の観点からみれば、同じ範疇にいる事業として括ることができるかもしれません。

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詳しくは、当事務所公益法人担当者(穂積、松井、若山)までお尋ね下さい。

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by uedacpa|2010年7月14日 09:47|コメント (0) トラックバック (0)

20.一般社団法人・財団法人へ移行する場合の公益目的支出計画に記載することができる実施事業等について

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今回は、医師会・歯科医師会・薬剤師会で一般社団法人・財団法人へ移行する場合の公益目的支出計画に記載することができる実施事業等についてお話したいと思います。

こんにちは、上田公認会計士事務所の松井です。
実施事業等とは、ガイドラインⅡ-1注書によれば『実施事業及び特定寄付をいう』とされています。つまり、実施事業のうちに公益目的事業と継続事業が存在するという構成になっています。
 
まずは、それぞれの特徴について見ていきたいと思います。
公益目的事業
公益目的事業は、公益認定法における公益目的事業と同様の基準が求められ、行政庁により判断されます。したがって、この事業を実施事業として申請する場合、医師会・歯科医師会・薬剤師会は公益認定申請と同様の審査を受けることになります。
公益目的事業は、移行認可申請前から実施していなかった事業であっても、新たに実施事業として公益目的支出計画に記載することができます。
なお、移行認可申請後においても公益目的事業であれば、公益目的支出計画の対象事業に追加することができます。
 通常の場合、医師会・歯科医師会・薬剤師会であればなんらかの公益的な事業を実施しているはずですから、①の公益目的事業は選択せず、②の継続事業を選択することになります。
 
継続事業
継続事業とは、医師会・歯科医師会・薬剤師会が移行認可申請前から実施していた事業であって旧主務官庁の監督下において公益に関する事業として位置づけられている事業となります。継続事業に該当するかどうかについては、行政庁は旧主務官庁に対し意見聴取を行うものとし、原則として旧主務官庁の意見が尊重されます。ただし、公益に関する事業としてはふさわしくないと考えられる場合においては、旧主務官庁の意見にかかわらず、実施事業として認められないこともあります。
医師会・歯科医師会・薬剤師会であれば、旧主務官庁が異を唱えることはないと思われます。
なお、継続事業は移行後に新たに追加することはできません。
 
特定寄付
特定寄付とは、認定法第5条第17号に規定する者に対する寄付をいいます。
その支払先を具体的に特定する必要があり、特定寄付に該当するかどうかの判定は行政庁が行います。
 医師会・歯科医師会・薬剤師会は特定寄付を選択することは、あまりないと思われます。 
 
また、実施事業等については以下の要件を満たす必要があります。
実施事業等を行うにあたり、特別の利益を与えるものでないこと
実施事業を行うのに必要な技術的能力を有していること
 実施事業については、定款に記載した事業であること
 公益目的支出計画に実施事業等ごとに、それぞれの内容、収益・費用に関する額等について記載すること
支出の総額が収入の総額を上回ること
 
 ⑤の赤字であることの要請についてはクリアすることが難しい医師会・歯科医師会・薬剤師会もあるかもしれません。
実施事業等は、事業ごとの区分経理を行う必要があります。区分経理を行うには、現在行っている事業のたな卸しを行い、どの事業が実施事業等に該当するかの検討から始ることが必要となります。実施事業等に該当する事業が無い場合は、さらなる検討が必要となりますので、まずは事業のたな卸しを行うことをお勧めします。 
  
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ご不明な点は、上田公認会計士事務所の穂積、松井、若山までご質問ください。
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by uedacpa|2010年7月12日 16:39|コメント (0) トラックバック (0)