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19. 行政から委託を受けている事業(健診、予防接種等)の公益目的事業への整理について
医師会、歯科医師会、薬剤師会が行政から委託を受けている事業(健診、予防接種等)の公益目的事業への整理について
こんにちは。上田公認会計士事務所の上田久之です。
医師会、歯科医師会、薬剤師会様が行政から健診、予防接種等の事業を受託していることがよくあります。そして、医師会全体としての事業のうちで受託事業のウエイトが高く、これらを公益目的事業としない限り、公益認定が難しい事例について対応を考えてみます。
1.医療事業の公益性
まず、健診事業としては、特定健診やがん健診、乳幼児健診がありますが、健診事業は医療にかかわる事業ですから、公益認定等委員会のFAQ9-10で明らかにされているように、医療に関しては、その医療を通じてどのように社会に貢献するのかを明らかにする必要があります。そのため、単に健診事業として公益性を主張するのではなく、例えば、学術講演事業と併せて住民の健康増進に寄与する事業として事業をくくることも有効と考えます。
また、平成22年4月28日の「委員会だより3」においてもよくある誤解として「医療事業は殆ど公益目的事業として認められないのかとの質問に対して、そんなことはありません」と回答していることも心強い見解といえます。
また、本ブログでも以前に述べたことがありますが、大分県成人病健診協会において「県民の健康増進に寄与する事業」として、「健康診断」、「健康指導」、「健康教育」の3事業を一体運用することで公益認定を受けた事例も参考になります。
2.収支相償の検討
これら健診事業や予防接種を公益目的事業とする場合、次に、収支相償の要件を検討します。健診事業は通常の場合、行政からの受託単価と医療機関への委託単価が一致しているので、直接の収入と支出の対比の段階では利益は生じません。
しかし公益法人では、収益事業や共益事業の利益の50%以上を公益目的事業に繰り入れることになります。また、費用面では、従来、管理費で処理していた人件費や医師会館等の維持費用等で公益目的事業に配賦される費用もあり、収入と費用について、新新公益法人会計基準に基づいて処理した結果により収支相償の要件を判定します。
この収支相償要件の判定の過程において、利益の出ている健診の部門があれば、収益事業の方へ整理することもあります。利益の出ている健診部門を収益事業へ移すことにより残りの健診事業の公益性をより説明し易くなることもありますし、収益事業会計が赤字であることにより「公益目的事業の実施に支障がある」とされることを回避する効果もあるからです。
3.公益目的事業比率の検討
次に、健診事業や予防接種事業を公益目的事業とした場合に公益目的事業比率が50%以上となるかを検討します。健診事業や予防接種事業を行政から受託できなくなった場合に、公益目的事業比率がどのように変動するかも検討しておく必要があります。
4.合目的性の検討
次は、事業が医師会、歯科医師会、薬剤師会様等の法人の目的と適合するかについてです。
健診事業や予防接種事業は地域社会の保険衛生と福祉の増進に寄与するものですから、定款の目的や
事業に沿ったものとなるはずですが、もし、それが定款に照らして当てはまらない場合は、定款の条項も
検討する必要があります。
5.技術的能力の保有
次に、公益目的事業と認定されるためには、公益目的事業を行うために必要な技術的能力を有しなけ
ればならず、事業を外部に丸投げしていないかを検討します。例えば、「検体検査」を他の民間の臨床
検査会社へ再委託したり、集団検診を他の民間の医療機関へ再委託する場合に技術能力の有無が問
題となります。又、健診等を医師会の会員に委託する場合に、その委託行為が公益認定において支障が
あると判断される恐れがあることも注意しなければなりません。
6.公益認定された実績
最後にその事業と類似する事業について公益認定の実績があるかどうかを検討することになります。
最近は獣医師会、青年会議所、交響楽団、農業公社等、一つの事業が公認認定されると、次々と類似の
事業を行う法人が公益認定されているので、実績があるかどうかも重要な判断要素となります。
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18. 内閣府の「早期申請に向けた新公益法人制度の理解を深めるための相談会」に、相談員として参加しました
内閣府の「早期申請に向けた新公益法人制度の理解を深めるための相談会」に、相談員として参加しました
こんにちは。上田公認会計士事務所の上田久之です。
公益認定等委員会は、新公益法人制度の申請状況が当初の予定よりも、低調であることから、本年4月1日から新しい方針で対処されることになりました。新聞等で既報のとおり4人の認定等委員会の委員が交代され、従来からも「あたたかい目」で審査する方針でしたが、やや審査が微に入り細を穿つ面もなきにしもあらずという状態であったため、入口は易しくするということではないが大局的な観点から審査をし、できるだけ審査期間も短くするということになりました。又、早期申請を促すために内閣府が弁護士や公認会計士や司法書士といった外部専門家へ委託し、制度理解を深めるための大掛かりな相談会(1回の相談会に20人の外部専門家に委託し60法人の相談に応じる。)を定期的に開催することになりました。
私も、この相談員の委嘱を受けまして5月26日に東京の高輪で第1回の相談会に相談員として参加いたしました。私は3法人の相談に応じましたが、どの法人様も事前相談シートをきちんと記入され、時間前から待機され、中には遠方からも来られていました。1法人50分という非常に限られた時間の中で、皆さん時間一杯熱心に質問をされました。
制度の内容をよく熟知され法人内部の検討も済まされて、ほとんど申請書も出来上がっている状態の法人様もあれば、法人の方針も決まっていないし、制度の内容もまだよくご存知でない法人様もありました。
私は会計の専門家ですので、公益性の考え方とか財務3基準の充足の方法とか、申請書の財務関係の部分についての相談を担当しました。
弁護士や司法書士の先生方は、定款や組織の質問を受けていたようです。私自身も新制度移行の相談はほとんど関西の法人様を中心に受けておりますので、東京に本拠をおく法人様の抱える色んな実務的な問題について助言させていただく機会を得て貴重な体験をさせていただきました。
尚、今回の60法人の中には、医師会、歯科医師会、薬剤師会様の参加はなく、他の団体の方がこの問題への関心が深いように思いました。
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